訪問看護は病院と何が違う?未経験看護師が最初につまずきやすいポイント
- 6ugatsu
- 22 時間前
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こんにちは。ROKU訪問看護ステーション 副所長の松下です。
今回は、私自身の経験をもとに、病院看護と訪問看護の違い、そして訪問看護を始めた時に最初につまずきやすいポイントについてお話ししたいと思います。
訪問看護に興味はあるけれど、
「一人で訪問して判断できるのか不安」「病院での経験は訪問看護でも活かせるのか」「利用者様やご家族との関わり方が難しそう」「在宅で急変があった時に対応できるのか心配」
このように感じている看護師さんも多いのではないでしょうか。
私自身も、訪問看護を始めたばかりの頃は同じような不安がありました。
病院では、医師や看護師、リハビリスタッフ、薬剤師など多くの職種が近くにいて、困った時にはすぐに相談できる環境があります。しかし訪問看護では、利用者様のご自宅へ一人で訪問し、その場で状態を見て、考え、判断しながら対応する場面が多くあります。
その責任の重さや判断の難しさに、最初は大きな不安を感じました。
また、病院では治療や安全管理が優先されることが多い一方で、訪問看護では、利用者様の生活そのものを支える視点が求められます。利用者様やご家族が大切にしている生活スタイルや価値観を尊重しながら関わることの難しさ、そして奥深さを日々感じています。
入職当初は、利用者様との距離感やコミュニケーションにも悩みました。それでも、地域の皆さま、利用者様、ご家族、そしてスタッフに支えられながら、少しずつ訪問看護での関わり方を学んできました。
今では、以前より自然に利用者様とお話しできるようになり、その方らしい生活を支える看護の魅力を実感しています。
もちろん、まだまだ勉強中の身ではあります。しかし、地域の皆さまに育てていただきながら、日々成長させていただいていることを実感しています。
この記事が、これから訪問看護にチャレンジしようと考えている看護師さんや、病院から訪問看護への転職を考えている方の参考になれば嬉しいです。
病院看護と訪問看護の一番大きな違い
病院看護と訪問看護は、同じ「看護」でありながら、求められる視点が大きく異なります。
病院では、治療や検査、処置、症状の改善、安全管理が中心になります。患者様は病院という医療の場に来られ、医療者が整った環境の中でケアを行います。
一方、訪問看護では、私たち看護師が利用者様のご自宅へ伺います。
そこには、病院のように医療機器やスタッフがそろっているわけではありません。ナースコールもありません。すぐ近くに医師がいるわけでもありません。
しかし、そこには利用者様の暮らしがあります。
いつもの椅子。長年使っているベッド。家族との会話。大切にしている生活リズム。その方が積み重ねてこられた人生。
訪問看護では、病気や症状だけでなく、その方の生活全体を見ながら看護を行います。
「病気を診る」のではなく、「病気を抱えながら生活する人を支える」。
ここが、病院看護と訪問看護の大きな違いだと感じています。
ROKU訪問看護ステーションでは、「自宅で過ごしたい」という想いを、簡単にあきらめないということを大切にしています。
医療的な安全性はもちろん大切です。しかし、それだけではなく、利用者様がどのように暮らしたいのか、ご家族がどのような不安を抱えているのか、その想いも含めて支えていくことが訪問看護の役割だと考えています。
訪問看護未経験の看護師が最初に不安を感じやすいこと
訪問看護が未経験の看護師さんにとって、最初に不安を感じやすいポイントはいくつかあります。
特に多いのが、
一人で判断する不安。利用者様との関係づくり。生活を支える視点への戸惑い。ご家族への関わり。正解が一つではない在宅看護の難しさ。
私自身も、最初から訪問看護に慣れていたわけではありません。病院での経験があっても、在宅という環境では戸惑うことがたくさんありました。
ここからは、私が実際につまずいたことや、訪問看護を続ける中で少しずつ学んできたことをお話しします。
① 一人で判断する不安
訪問看護で最初につまずきやすいことの一つが、一人で判断する場面の多さです。
病院では、異変があればすぐに医師や先輩看護師へ相談できる環境があります。しかし訪問看護では、利用者様のお宅で、まず自分が状態を確認し、今どう対応するべきかを考える必要があります。
例えば、
「今すぐ主治医へ連絡した方がよいのか」「救急搬送を考える状態なのか」「今日は様子観察でよいのか」「ご家族へどのように説明すればよいのか」「本人様の希望と医療的な安全性が違う時、どう考えればよいのか」
このような場面に向き合うことがあります。
入職当初は、判断に自信が持てず、不安を感じることもありました。病院では当たり前のようにあった「すぐ近くに誰かがいる安心感」が、訪問看護では少なく感じることもあります。
しかし、訪問看護で大切なのは、最初からすべてを完璧に判断することではありません。
大切なのは、小さな変化に気づくこと。迷った時に相談すること。一人で抱え込まないこと。
訪問看護は、一人で訪問する仕事ではあります。でも、一人で利用者様を支える仕事ではありません。
ROKUでは、訪問中に不安なことがあれば、管理者や副管理者、経験のあるスタッフへ相談できます。訪問後にも、「あの時の対応はどうだったか」「次はどう判断すればよいか」を振り返ることがあります。
一人で訪問していても、事業所全体で利用者様を支えている。そのことを実感できるようになると、少しずつ不安は安心に変わっていきました。
訪問看護未経験の看護師さんにとって、最初の不安は自然なことだと思います。大切なのは、不安があることを隠さず、相談しながら経験を積んでいくことです。
② 利用者様との関係づくり
訪問看護では、利用者様のご自宅という生活の場に入らせていただきます。
病院では、患者様が病院という医療の場に来られます。しかし訪問看護では、私たち看護師が、利用者様の生活の場へ伺います。
この違いはとても大きいと感じています。
ご自宅には、その方の暮らしがあります。大切にしている物、長年の習慣、ご家族との関係、生活のリズム、価値観があります。
そのため、訪問看護では看護技術だけでなく、信頼関係を築くことがとても大切になります。
入職当初は、利用者様との距離感やコミュニケーションにも悩みました。
どこまで踏み込んで話してよいのか。どのように声をかければ安心してもらえるのか。ご家族の不安に対して、どのような言葉を返せばよいのか。
病院では入院期間が限られていますが、訪問看護では長期間にわたって関わることも少なくありません。何気ない会話の中から、その方の価値観や生活背景を知る機会がたくさんあります。
「昔はこんな仕事をしていた」「この部屋で過ごす時間が一番落ち着く」「家族に迷惑をかけたくない」「できるだけ最期まで家にいたい」
そうした言葉の中に、その方の本音や希望が見えてくることがあります。
最初は緊張して、うまく話せないこともありました。でも、まずは相手のお話をしっかり聴くことを意識しました。
上手に話そうとするよりも、相手のペースを大切にする。ご自宅に入らせていただいているという姿勢を忘れない。その方が大切にしていることを知ろうとする。
その積み重ねが、少しずつ信頼関係につながっていくのだと思います。
利用者様やご家族から、
「来てくれて安心する」「話を聞いてもらえて嬉しい」「家で過ごせてよかった」
と言っていただけた時は、訪問看護のやりがいを強く感じます。
③ 治療中心から「生活を支える看護」へ
病院では、治療や症状の改善、安全管理が中心になることが多いと思います。もちろん、それはとても大切な看護です。
一方で訪問看護では、利用者様のその人らしい生活を支える視点が求められます。
例えば、転倒リスクがある方がいたとします。医療的な安全性だけを考えると、「歩かない方が安全」と判断したくなる場面があります。
しかし、その方が、
「少しでも外の空気を吸いたい」「近くまで散歩に行きたい」「自分の足でトイレに行きたい」「家族と食卓を囲みたい」
と思っている場合、ただ「危ないからやめましょう」と伝えるだけでは、その方らしい生活を支えることにはなりません。
もちろん、安全を無視してよいわけではありません。転倒や急変のリスクを考えることは、看護師として大切です。
ただ訪問看護では、リスクを避けるだけではなく、その人が望む生活を、どうすれば少しでも安全に続けられるかを考えます。
手すりの位置を考える。動線を確認する。ご家族と見守り方法を相談する。主治医やケアマネジャー、リハビリ職と連携する。本人様の希望を確認しながら、無理のない方法を一緒に考える。
訪問看護は、医療と生活の間に立つ仕事です。
病気だけを見るのではなく、その人の暮らしを見る。症状だけを見るのではなく、その人の希望を見る。本人様だけでなく、ご家族の不安にも目を向ける。
この視点は、訪問看護を始めてから大きく学んだことの一つです。
ROKUでは、利用者様の「自宅で過ごしたい」という想いを大切にしています。その想いを実現するために、医療的な視点と生活の視点の両方から支援を考えています。
④ ご家族への関わり
訪問看護では、利用者様ご本人だけでなく、ご家族への関わりもとても大切です。
病院では、医療者が中心となってケアを行います。しかしご自宅では、ご家族が日々の生活を支えていることが多くあります。
薬の管理。食事の準備。排泄の介助。移動の見守り。夜間の不安。急変時の対応。本人様の気持ちを支えること。
ご家族は、目に見えない負担をたくさん抱えておられます。
特に、病状が重い方や終末期の方の場合、ご家族は大きな不安を抱えながら過ごされています。
「このまま家で見ていて大丈夫なのか」「苦しそうに見えるけど、どうしたらいいのか」「救急車を呼ぶべきなのか」「自分の判断で間違っていないのか」「最期まで家で過ごさせてあげたいけれど、自分たちだけで支えられるのか」
こうした不安は、ご家族にとってとても大きなものです。
訪問看護師は、利用者様の状態を観察するだけではありません。ご家族の表情、声のトーン、疲れ、迷い、不安にも目を向けます。
「眠れていますか」「無理しすぎていませんか」「困っていることはありませんか」「何かあれば、すぐに相談してくださいね」
そうした何気ない声かけが、ご家族の安心につながることがあります。
ROKU訪問看護ステーションでは、本人様への看護だけでなく、ご家族への看護・ご家族支援も大切にしています。
自宅で過ごしたいという想いは、本人様だけのものではありません。その想いを支えるご家族にも、不安や迷いがあります。
特に終末期やがん末期の在宅療養では、ご家族が「これでよかったのかな」と悩まれる場面もあります。だからこそ、私たちは医療的な説明だけでなく、ご家族の気持ちにも寄り添うことを大切にしています。
利用者様が安心して過ごせること。ご家族が一人で抱え込まないこと。そして、最期までその人らしく過ごせるように支えること。
訪問看護は、利用者様だけを見る仕事ではありません。その方を取り巻く家族や生活全体を支えていく仕事だと感じています。
ROKUが大切にしている「自分の家族もROKUで看たいと思えるような看護」という考え方は、まさにこのご家族支援にもつながっています。
大切な人を自宅で支えるご家族に対して、私たちがどのように関わるか。そこには、看護師としての姿勢だけでなく、人としての温かさも求められると感じています。
⑤ 正解が一つではない在宅看護の難しさ
病院では、検査結果や治療方針、医師の指示に沿って、比較的明確に判断していく場面が多くあります。もちろん病院看護にも難しさはありますが、医療の環境が整っている分、判断の根拠や対応の流れが見えやすいこともあります。
一方で、訪問看護では「これが絶対に正解」と言い切れない場面に出会うことがあります。
医療的には入院した方が安全かもしれない。でも、本人様は家で過ごしたいと希望されている。ご家族は不安を抱えている。主治医は在宅療養の継続も可能と考えている。ケアマネジャーは生活全体の調整を考えている。
このように、本人様・ご家族・医療者・介護職、それぞれの思いや立場が重なる中で、何がその方にとって一番よい選択なのかを一緒に考えていく必要があります。
訪問看護では、看護師が一方的に答えを出すのではありません。本人様の思いを聴き、ご家族の不安を受け止め、主治医やケアマネジャー、訪問介護、薬剤師、リハビリ職など関係職種と相談しながら、その人にとっての最善を探していきます。
そこに難しさがあります。でも同時に、そこに訪問看護の深さがあると思います。
ROKU訪問看護ステーションで大切にしていること
ROKU訪問看護ステーションでは、「自宅で過ごしたい」という想いを、簡単にあきらめないということを大切にしています。
在宅療養には、不安もあります。退院直後で生活に慣れていない方。医療処置が必要な方。がん末期・終末期の方。難病を抱えている方。呼吸器や点滴、カテーテルなど医療的な管理が必要な方。ご家族の介護負担が大きい方。
ご自宅で過ごすためには、医療面だけでなく、生活面やご家族への支援も必要になります。
それでも、本人様が「家で過ごしたい」と願われるなら、私たちはその想いをどうすれば支えられるかを考えます。
看護師だけで抱えるのではなく、主治医、ケアマネジャー、訪問介護、薬剤師、リハビリ職、地域の関係機関と連携しながら、その方の暮らしを支えていきます。
また、ROKUではご本人様への看護だけでなく、ご家族への支援も大切にしています。
自宅で過ごしたいという想いは、本人様だけのものではありません。それを支えるご家族にも、不安や迷いがあります。
「本当に家で見ていて大丈夫なのか」「急変した時はどうすればいいのか」「本人の希望を叶えたいけれど、自分たちだけで支えられるのか」
そうした不安に対して、訪問看護師がそばで支えることには大きな意味があります。
私たちは、利用者様だけでなく、ご家族にも「一人で抱えなくていい」「困った時は相談していい」と思っていただける関わりを大切にしています。
訪問看護が未経験でも、最初から一人前である必要はありません
訪問看護に興味があっても、未経験の看護師さんにとっては不安が大きいと思います。
「一人で訪問できるだろうか」「判断に迷った時にどうすればいいのか」「病院での経験しかないけれど大丈夫だろうか」「在宅での看取りや終末期ケアに関われるだろうか」
そのように感じるのは自然なことです。
私自身も、最初から自信があったわけではありません。利用者様との距離感に悩んだり、判断に迷ったり、訪問後に「あの対応でよかったのかな」と振り返ることもありました。
でも、訪問看護は一人で成長していく仕事ではありません。
同行訪問で学ぶ。先輩スタッフに相談する。訪問後に振り返る。利用者様やご家族との関わりの中で学ぶ。地域の関係職種との連携を通して学ぶ。
そうした積み重ねの中で、少しずつ訪問看護師としての視点が育っていきます。
ROKUでは、訪問看護が初めての方でも、不安を抱え込まずに相談できる関係性を大切にしています。分からないことを分からないと言えること。迷った時に相談できること。一人で訪問していても、チームで支えていると感じられること。
それが、安心して訪問看護に取り組むために大切だと考えています。
大阪市浪速区・大国町で訪問看護に挑戦したい看護師さんへ
ROKU訪問看護ステーションは、大阪市浪速区・大国町を中心に、地域で暮らす利用者様の在宅療養を支えています。
病院から訪問看護への転職を考えている看護師さん、訪問看護未経験で不安を感じている看護師さんにとって、最初の一歩は勇気がいると思います。
しかし、病院で培ってきた経験は、訪問看護でも必ず活かせます。
観察力。アセスメント力。急変への気づき。医療処置の経験。患者様やご家族への関わり。多職種と連携する力。
これらは、在宅の現場でも大切な力です。
ただ、訪問看護ではそこに加えて、利用者様の生活、ご家族の不安、地域の支援体制まで見ていく視点が必要になります。
病気だけではなく、その人の暮らしを見る。本人様だけではなく、ご家族も支える。医療的な安全性だけではなく、その人らしい生活を一緒に考える。「自宅で過ごしたい」という想いを、簡単にあきらめない。
それが、ROKUが大切にしている訪問看護です。
これから訪問看護にチャレンジしようと考えている方にとって、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
ROKU訪問看護ステーションでは、これからも浪速区・大国町を中心に、地域の皆さまが住み慣れたご自宅で安心して過ごせるよう、訪問看護の立場から支援を続けてまいります。







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