褥瘡がある状態で退院しても自宅で過ごせる?訪問看護ができる処置と家族の不安への支援
- 宮本 真一郎
- 6月30日
- 読了時間: 9分
更新日:2 日前

病院から退院することが決まったとき、褥瘡があるとご本人やご家族は大きな不安を感じることがあります。
「床ずれがあるのに、本当に家で過ごせるのだろうか」「家族だけで処置できるのだろうか」「悪化したらどうすればいいのか」「退院してから傷が広がったら怖い」「毎日病院に通わないといけないのではないか」
このような不安を抱えたまま退院日を迎えるご家族は少なくありません。
結論からお伝えすると、褥瘡がある状態でも、主治医・病院・ケアマネジャー・訪問看護が連携することで、自宅で過ごせる可能性は十分にあります。
もちろん、褥瘡の深さや感染の有無、ご本人の全身状態、ご家族の介護力、住環境によって慎重な判断は必要です。しかし、「褥瘡があるから自宅は無理」と最初からあきらめる必要はありません。
ROKU訪問看護ステーションでは、大阪市浪速区・大国町周辺を中心に、退院後の医療処置や褥瘡処置が必要な方の在宅療養を支援しています。
褥瘡とは?
褥瘡とは、一般的に「床ずれ」とも呼ばれる皮膚や組織の傷です。
長時間同じ姿勢でいることにより、骨が出ている部分に圧がかかり、血流が悪くなることで皮膚や皮下組織が傷ついてしまいます。
できやすい場所としては、仙骨部、お尻、かかと、くるぶし、背中、肩甲骨周囲などがあります。
寝たきりの方、栄養状態が低下している方、浮腫がある方、糖尿病や血流障害がある方、痛みやしびれで体を動かしにくい方などは、褥瘡ができやすく、また治りにくいことがあります。
褥瘡があるまま退院するときに家族が不安に感じやすいこと
褥瘡がある状態で退院する場合、ご家族が不安に感じるポイントはたくさんあります。
たとえば、
「ガーゼ交換は家族がするのか」「傷を見ても良い状態か悪い状態か分からない」「においや滲出液が増えたらどうすればいいのか」「体位変換を何回すればいいのか」「マットレスやクッションは何を使えばいいのか」「入浴や清拭はしていいのか」「夜間に悪化したら誰に相談すればいいのか」
このような不安は、決して特別なものではありません。
病院では医師や看護師が近くにいるため、処置や観察を任せることができます。しかし退院後は、自宅という生活の場で、ご本人とご家族が療養を続けていくことになります。
そのため、退院前から訪問看護に相談しておくことで、必要な処置、物品、訪問頻度、緊急時の連絡先などを整理しやすくなります。
訪問看護ができる褥瘡への支援
訪問看護では、主治医の指示に基づいて、褥瘡の状態確認や処置、悪化予防、ご家族への支援を行います。
1 褥瘡の状態観察
訪問時には、褥瘡の状態を確認します。
確認する内容は、たとえば以下のようなものです。
・傷の大きさ・深さ・赤み・腫れ・熱感・痛み・滲出液の量・におい・出血の有無・感染が疑われる変化・周囲の皮膚トラブル・ポケット形成の有無・壊死組織の有無
褥瘡は、見た目だけでは判断が難しいこともあります。
「昨日より赤みが強い」「滲出液が増えている」「においが変わった」「痛みが強くなった」「周囲の皮膚がふやけている」
このような小さな変化を早めに確認し、必要時には主治医へ報告します。
2. 主治医の指示に基づく処置
褥瘡の処置は、状態によって方法が変わります。
訪問看護では、主治医の指示に基づき、洗浄、軟膏塗布、創傷被覆材の交換、ガーゼ交換などを行います。
褥瘡の処置で大切なのは、「毎回同じことをする」ことではなく、その時の創部の状態に合わせて観察し、必要な対応につなげることです。
滲出液が多いのか。乾燥しているのか。周囲の皮膚がただれていないか。感染が疑われる変化はないか。除圧がうまくできているか。
こうした点を確認しながら、主治医や訪問診療、ケアマネジャーと連携していきます。
3. 感染や悪化のサインを早めに見つける
褥瘡で特に注意が必要なのは、感染や急な悪化です。
以下のような変化がある場合は、早めに医師や訪問看護へ相談が必要です。
・発熱がある・傷の周囲の赤みが広がっている・腫れや熱感が強い・痛みが急に強くなった・膿のような滲出液が出る・強いにおいがある・黒い部分や壊死のような部分が増えている・食事量や水分量が落ちている・元気がない、意識がぼんやりする
ご家族だけで判断しようとすると、不安が大きくなります。
訪問看護が定期的に関わることで、「これは様子を見てよいのか」「主治医に報告した方がよいのか」を一緒に判断しやすくなります。
4. 体位変換や除圧の工夫
褥瘡の改善や悪化予防には、処置だけでなく、圧を減らすことがとても大切です。
同じ場所に長時間圧がかかり続けると、褥瘡が悪化しやすくなります。
訪問看護では、ご本人の状態に合わせて、体位変換の方法やクッションの使い方、ベッド上での姿勢、車椅子座位の工夫などを確認します。
ただし、ご家族が無理をして頻回に体位変換を続けると、介護する側が疲弊してしまうこともあります。
大切なのは、理想だけを押しつけることではなく、そのご家庭で続けられる方法を一緒に考えることです。
必要に応じて、体圧分散マットレス、クッション、福祉用具の導入について、ケアマネジャーや福祉用具事業所とも連携します。
5. 栄養状態や全身状態の確認
褥瘡は、傷だけを見ていればよいものではありません。
食事量が少ない、体重が減っている、脱水傾向がある、アルブミンなど栄養状態が低い、むくみが強い、発熱が続いているなど、全身状態が影響します。
訪問看護では、食事量、水分量、体重の変化、排泄状況、発熱の有無、痛み、眠れているかなども確認します。
必要時には、主治医、訪問診療、管理栄養士、ケアマネジャーなどと連携し、栄養補助食品や食事内容、点滴の必要性などについて相談することもあります。
6. ご家族への処置方法や観察ポイントの説明
在宅療養では、ご家族が創部を見る場面もあります。
そのため訪問看護では、ご家族が不安を抱えすぎないように、必要な範囲で観察ポイントを説明します。
たとえば、
「このくらいの滲出液なら慌てなくて大丈夫です」「このような赤みが広がる場合は連絡してください」「ガーゼがずれた時はこうしてください」「この姿勢が続くとお尻に圧がかかりやすいです」「夜間にこのような状態があれば連絡してください」
このように、家庭で起こりやすい場面を想定しておくことで、ご家族の不安は軽くなります。
家族だけで完璧に処置をする必要はありません。訪問看護が関わることで、「どこまで家族が行い、どこから専門職に相談するか」を整理できます。
褥瘡がある方の退院前に確認しておきたいこと
褥瘡がある状態で退院する場合は、退院前から準備しておくことが大切です。
確認しておきたい内容は以下の通りです。
・褥瘡の場所、大きさ、深さ・現在の処置方法・使用している軟膏や創傷被覆材・処置の頻度・必要な物品・退院後の主治医・訪問診療の有無・訪問看護の開始日・訪問頻度・体圧分散マットレスの必要性・車椅子やクッションの調整・夜間、休日の連絡先・悪化時の受診先
退院してから慌てて準備するよりも、退院前カンファレンスや病院との情報共有の段階で整理しておく方が安心です。
ROKU訪問看護ステーションでは、退院前からのご相談にも対応しています。
「まだ退院日が決まっていない」「訪問看護を使うか迷っている」「家族だけで介護できるか不安」「褥瘡処置が必要だが、自宅で対応できるか分からない」
このような段階でもご相談いただけます。
家族だけで抱え込まないことが大切です
褥瘡がある方の在宅療養では、ご家族が責任を感じすぎてしまうことがあります。
「自分の体位変換が足りなかったのではないか」「処置の仕方が悪かったのではないか」「もっと早く気づけばよかったのではないか」
このように悩まれるご家族もいます。
しかし、褥瘡はご本人の病状、栄養状態、活動量、皮膚の状態、血流、痛み、むくみ、介護環境など、さまざまな要因が重なって起こります。
ご家族だけの責任ではありません。
大切なのは、責めることではなく、今の状態を一緒に確認し、これからどう支えていくかを考えることです。
訪問看護は、処置をするだけではありません。ご本人とご家族が、自宅で安心して過ごせるように、医療と生活の間に立って支援します。
ROKU訪問看護ステーションの褥瘡・退院後支援
ROKU訪問看護ステーションでは、大阪市浪速区・大国町周辺を中心に、褥瘡処置が必要な方、退院直後で状態が不安定な方、医療処置が必要な方の在宅療養を支援しています。
対応しているご相談の例としては、
・褥瘡処置が必要な方・退院後も創部の観察が必要な方・点滴、胃ろう、尿道カテーテル、在宅酸素など医療処置がある方・癌末期、終末期で自宅療養を希望される方・難病や重度障がいがある方・夜間や休日の体調変化が不安な方・病院から退院予定だが、自宅で過ごせるか不安な方
などがあります。
主治医、病院関係者様、ケアマネジャー様、訪問診療、福祉用具事業所などと連携しながら、ご本人とご家族が安心して自宅療養を始められるよう支援します。
ROKUが大切にしているのは、「自分の大切な家族もROKUで看たいと思える看護」です。
褥瘡があるから。医療処置があるから。家族が不安だから。退院直後だから。
そのような理由だけで、在宅療養を最初からあきらめる必要はありません。
もちろん、すべての方が必ず自宅で過ごせるとは言い切れません。病状やご家族の状況によっては、病院や施設での療養が適している場合もあります。
それでも、まずは「どうすれば自宅で過ごせる可能性があるのか」を一緒に考えることが大切です。
浪速区・大国町周辺で褥瘡処置や退院後の訪問看護をお探しの方へ
褥瘡がある状態で退院することに不安がある方、床ずれの処置が必要な方、自宅での療養を続けられるか迷っている方は、早めに訪問看護へご相談ください。
退院日が決まっていない段階でも大丈夫です。主治医の指示書がまだない段階でも相談できます。訪問看護を利用するか迷っている段階でも構いません。
大阪市浪速区・大国町周辺で、褥瘡処置、退院後の在宅療養、医療処置が必要な方の訪問看護をお探しの方は、ROKU訪問看護ステーションへお気軽にご相談ください。
ご本人とご家族が、住み慣れた自宅で安心して過ごせるよう、医療と生活の両面から支援し
ます。
執筆者:宮本 真一郎
看護師。救急・急性期・手術室・離島医療を経験後、訪問看護に約8年間従事。癌末期・難病・医療依存度の高い方への訪問看護、在宅看取り、ご家族への支援に携わる。ROKU訪問看護ステーション代表。







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