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尿道カテーテルは何日で交換する?交換時期・寿命・詰まりのサインを訪問看護師が解説

  • 宮本 真一郎
  • 8月23日
  • 読了時間: 8分

更新日:4 日前


尿道カテーテル(バルーンカテーテル)をつけたまま自宅で生活している方やご家族から、

「カテーテルは何日くらいで交換するの?」

「1か月ずっと入れたままで大丈夫?」

「尿が濁ってきたら交換した方がいい?」

「病院へ行かなくても自宅で交換できる?」

と聞かれることがあります。

結論からいうと、尿道カテーテルには「全員が必ず○日ごとに交換する」という一律の交換時期があるわけではありません。

使用しているカテーテルの種類や添付文書、尿の状態、閉塞の起こりやすさ、感染の有無、カテーテルを留置している理由などによって交換時期は異なります。

一方、長期間留置する場合には、実際の在宅医療では主治医の指示のもと、定期的に状態を確認しながら交換しているケースも多くあります。

この記事では、尿道カテーテルの交換時期や「寿命」と考えられがちな期間、予定より早く交換が必要になるサイン、自宅での訪問看護による管理について解説します。



尿道カテーテルは何日で交換する?

尿道カテーテルについて、

「2週間で交換」「4週間で交換」「1か月に1回交換」

など、いろいろな説明を聞くことがあります。

しかし、すべての方に同じ交換間隔が適しているわけではありません。

日本泌尿器科学会の「泌尿器科領域における感染制御ガイドライン」では、尿道カテーテルの交換時期について、状況によって異なり、一律の定期交換は推奨されていないとされています。

ただし長期留置の場合には、使用している医療機器の添付文書なども確認しながら管理する必要があります。

実際に尿道カテーテルの中には、添付文書で**「留置後30日以内に交換する」**とされている製品もあります。

そのため、

「尿道カテーテルの寿命は必ず1か月」

と考えるのではなく、

その方に使用しているカテーテルと身体の状態に合わせて、主治医が交換時期を判断する

と考えるのが大切です。


なぜ「定期的に交換すれば感染予防になる」とは限らないか?

「新しいカテーテルに頻繁に交換した方が、感染しにくいのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、尿道カテーテルの交換そのものにも尿道への刺激や損傷などの負担があります。

CDC(米国疾病予防管理センター)のカテーテル関連尿路感染症予防ガイドラインでも、感染予防だけを目的として尿道カテーテルや蓄尿バッグを一定の日数ごとに機械的に交換することは推奨されていません。

大切なのは日数だけを見ることではなく、

  • 尿がきちんと流れているか

  • カテーテルが閉塞していないか

  • 感染を疑う症状がないか

  • 閉鎖式の尿路システムが保たれているか

  • カテーテルの材質や使用可能期間

  • これまでどのくらいの期間で詰まっているか

などを確認することです。


予定日より早く交換が必要になることもあります

定期的な交換予定日が決まっていても、それまで待たずに対応した方がよい場合があります。

代表的なのがカテーテルの閉塞です。

尿道カテーテルの中に沈殿物や血液の塊などがたまると、尿が流れにくくなることがあります。

例えば、

「いつもより明らかに尿が少ない」

「蓄尿バッグにほとんど尿が入ってこない」

「下腹部が張っている」

「カテーテルの横から尿が漏れている」

といった変化がある場合には、カテーテルが詰まっている可能性も考えます。

カテーテルが閉塞した状態を放置すると、膀胱に尿がたまり、痛みや不快感につながることがあります。

特に尿閉のためにカテーテルを留置している方では注意が必要です。


「尿が出ない=カテーテルが詰まった」とは限りません

ここは在宅でとても大切なところです。

蓄尿バッグに尿が少ない場合でも、原因が必ずカテーテル閉塞とは限りません。

まず、

カテーテルやチューブが折れ曲がっていないか、身体の下敷きになっていないか、蓄尿バッグが膀胱より高い位置になっていないか

などを確認します。

また、

水分摂取量が減っている、発熱や下痢が続いている、脱水傾向になっている、腎機能が変化している

といった身体側の問題でも尿量は減少します。

そのため訪問看護では、単にカテーテルを見るだけではなく、血圧・脈拍・体温・全身状態・水分摂取量・排泄状況なども合わせて確認します。


尿が濁っていたら交換した方がいい?

尿道カテーテルを長期間留置している方では、尿の濁りや沈殿物がみられることがあります。

ただし、

「尿が濁っている=尿路感染症」

とは限りません。

尿の状態だけでなく、

  • 発熱

  • 悪寒

  • 下腹部痛

  • 腰や背中の痛み

  • 全身状態の悪化

  • 食欲低下

  • いつもと違う強い倦怠感

などを合わせて判断します。

高齢者では典型的な症状が分かりにくいこともあるため、「いつもと様子が違う」という変化も重要です。

症候性の尿路感染症が疑われる場合には、カテーテル交換を含めた対応について主治医が判断します。

カテーテルが詰まりやすい人は交換間隔が短くなることも

同じ尿道カテーテルを使用していても、交換間隔にはかなり個人差があります。

1か月近く問題なく使用できる方もいれば、沈殿物などによって短期間で閉塞を繰り返す方もいます。

日本泌尿器科学会のガイドラインでも、尿道カテーテルが繰り返し閉塞する方では、より短い間隔での交換が必要になる場合があることが示されています。

そのため重要なのは、

「一般的に何週間か」より、「この方はこれまで何日くらいでトラブルが起こっているか」

を見ることです。

例えば毎回3週間前後で尿の流れが悪くなるのであれば、その経過を訪問看護師から主治医へ報告し、交換時期について相談することがあります。

在宅療養では、このような日々の変化を蓄積していくことも大切です。


カテーテル交換は自宅でもできる?

状態や主治医の指示によって、ROKU訪問看護ステーションでは訪問看護師が自宅で尿道カテーテル交換を行っています。

「毎月カテーテル交換のためだけに病院へ行くのが大変」

という方でも、主治医・訪問診療・訪問看護などで連携することで、在宅で管理できる場合があります。

ただし、すべての方が自宅で交換できるわけではありません。

尿道狭窄がある、挿入が難しい、出血しやすい、これまで交換時にトラブルがあったなどの場合には、医療機関での交換が必要になることもあります。

誰が、どこで、どのように交換するのかについては、事前に主治医と確認しておくことが重要です。


カテーテル交換時期以外に訪問看護で確認していること

尿道カテーテルを留置している方への訪問看護では、「交換すること」だけが目的ではありません。

訪問時には、

尿量、尿の色、濁り、沈殿物、血尿、カテーテルの固定状態、尿漏れ、チューブの折れや圧迫、蓄尿バッグの位置、発熱、疼痛、水分摂取量、排便状況など

を確認します。

さらに、その方がカテーテルを入れている理由や病気、生活状況まで含めて評価します。

カテーテルそのものだけを見るのではなく、

「カテーテルを使いながら、自宅で安全に生活できているか」

を見ることが訪問看護では重要です。


こんな場合は交換予定日を待たずに相談してください

次のような場合には、予定している交換日まで様子を見るのではなく、訪問看護師や主治医への相談をおすすめします。

  • カテーテルから尿がほとんど出なくなった

  • チューブの折れを直しても尿が流れない

  • 下腹部の張りや痛みがある

  • カテーテルの横から大量に尿が漏れる

  • 強い血尿や血の塊がみられる

  • カテーテルが抜けてしまった

  • 発熱や悪寒がある

  • 腰や背中に強い痛みがある

  • 普段と比べて明らかに全身状態が悪い

特に尿が流れず下腹部が張っている場合には、閉塞している可能性があります。

ご本人やご家族がカテーテルを無理に押し込んだり、自分で交換したりせず、医療職へ相談してください。


尿道カテーテルをつけたままでも自宅で生活できます

尿道カテーテルが必要になったからといって、自宅療養ができなくなるわけではありません。

重要なのは、

「いつ交換するのか」

だけではなく、

「どんな変化に注意するのか」

「トラブルが起きたとき誰へ相談するのか」

「夜間や休日にも対応できる体制があるのか」

まで含めて準備しておくことです。

特に退院直後は、ご本人やご家族にとってカテーテル管理そのものが大きな不安になることがあります。

退院前から主治医、病院、ケアマネジャー、訪問看護などで情報を共有しておくことで、自宅療養を始めやすくなります。





大阪市浪速区周辺で尿道カテーテルの管理・交換が必要な方へ

ROKU訪問看護ステーションでは、大阪市浪速区・大国町を中心に、医療処置や医療的な管理が必要な方の在宅療養を支援しています。

尿道カテーテルについても、主治医の指示やご本人の状態に応じて、状態観察や管理、必要な処置、主治医との連携を行います。

「尿道カテーテルをつけたまま退院することになった」

「カテーテルがよく詰まる」

「交換のために毎回通院するのが難しくなってきた」

「夜間に尿が出なくなったらどうしたらいいのか不安」

といった段階からでもご相談ください。

カテーテルだけを見るのではなく、ご本人の全身状態やご家族の介護負担、生活環境なども含めて、住み慣れたご自宅で療養を続けられる方法を一緒に考えます。

※尿道カテーテルの交換時期や交換方法は、使用している製品、留置理由、基礎疾患、尿の状態、主治医の指示などによって異なります。本記事は一般的な情報を解説したものであり、個別の交換時期については主治医・訪問看護師などへご確認ください。


参考資料

日本泌尿器科学会「泌尿器科領域における感染制御ガイドライン」

CDC「Guideline for Prevention of Catheter-Associated Urinary Tract Infections」

各尿道留置カテーテルの電子添文・使用上の注意


執筆者:宮本 真一郎

看護師。救急・急性期・手術室・離島医療を経験後、訪問看護に約8年間従事。癌末期・難病・医療依存度の高い方への訪問看護、在宅看取り、ご家族への支援に携わる。ROKU訪問看護ステーション代表。

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