クーデックエイミーPCA勉強会を開催|在宅でのPCAポンプ管理を実機で学びました

ROKU訪問看護ステーションでは、2026年9月17日、あすか薬局の薬剤師の方を講師にお迎えし、「クーデックエイミーPCA」の勉強会を開催しました。
ROKUでは、がん末期・終末期の方や医療依存度の高い方の在宅療養を支援しています。
その中で、医療用麻薬を持続的に使用しながら自宅で過ごされる方や、PCAポンプを使用した状態で病院から退院される方についてご相談いただくこともあります。
今回は資料による説明だけではなく、実際のクーデックエイミーPCAをスタッフが手に取り、スマートフォンとの接続や操作方法、PCAスイッチ、機器の確認方法などを実機で学びました。
医療処置が必要な方にも安心して自宅で過ごしていただけるよう、ROKUでは地域の医師・薬剤師など多職種の皆さまと連携しながら、スタッフの知識・技術の向上に取り組んでいます。
クーデックエイミーPCAとは?
クーデックエイミーPCAは、PCA機能を備えた輸液ポンプです。
PCAとは「Patient Controlled Analgesia」の略で、日本語では患者自己調節鎮痛法と呼ばれます。
医師があらかじめ設定した範囲内で薬剤を持続的に投与し、機器や設定によっては、痛みが強くなった際にPCAスイッチを使用して追加投与を行うことができます。
クーデックエイミーPCAは、本体だけで操作するのではなく、専用通信モジュールを介してスマートフォンアプリ「エイミーズウィンドウ」と連携し、輸液状況などを確認する仕組みになっています。大研医器の公式情報でも、スマートフォンアプリからコントロールや輸液状況を確認する構成が案内されています。
在宅療養では、機械だけを見るのではなく、
痛みの状態
眠気や意識状態
呼吸状態
吐き気や便秘など薬剤による影響
PCAの使用状況
ポンプの作動状況
薬液残量
ルートや接続部
刺入部の状態
など、患者さん自身の状態と機器の両方を確認することが大切です。
PCAポンプそのものについて詳しく知りたい方は、既存の記事で在宅での管理や観察ポイントを詳しく解説しています。
実際にPCAポンプを操作しながら学びました

今回の勉強会で特に大切にしたのが、スタッフ自身が実機に触れることです。
訪問看護では、看護師が利用者さんのご自宅へ一人で訪問する場面も多くあります。
病院のように、その場ですぐ医師や薬剤師、医療機器担当者へ確認できる環境とは異なるため、
「通常はどのような状態なのか」
「どの画面を確認するのか」
「アラームが出た場合に何を確認するのか」
「どのような状態変化を主治医や薬剤師へ報告するのか」
を事前に理解しておくことが重要です。
今回の勉強会では、あすか薬局の薬剤師の方から説明を受けながら、ROKUのスタッフが一人ずつ実際に機器を操作しました。

スマートフォンアプリ「エイミーズウィンドウ」の操作も確認
クーデックエイミーPCAでは、専用のスマートフォンアプリ「エイミーズウィンドウ」を使用します。
今回の勉強会でも実際にスマートフォンと機器を使用しながら、
接続方法
画面の確認
輸液状況の確認
PCA使用時の確認
アラーム発生時の確認
など、実際の使用を想定しながら操作を確認しました。
大研医器では、輸液設定、PCA使用、設定確認、警報発生時などについて医療関係者向けの操作情報も公開しています。
ROKUでは、単にマニュアルを読むだけではなく、実際に機器を触りながら学ぶことを大切にしています。
在宅でPCAポンプを使用するには多職種連携が重要です
PCAポンプを使用している方が自宅へ退院する場合、訪問看護だけで支援が完結するわけではありません。
主治医・訪問診療医、薬剤師、訪問看護師、病院の退院支援担当者、ケアマネジャー、ご本人・ご家族などが情報を共有しながら在宅療養の体制を整えていきます。
退院前には、
使用する薬剤
PCAポンプの機種
投与経路
医師から指示された設定
薬剤の供給方法
交換時の対応
夜間・休日の連絡先
アラームや機器トラブル時の連絡方法
疼痛が強くなった場合の対応
訪問診療・訪問看護の開始日
などを関係者で共有しておくことが重要です。
今回勉強会を開催してくださったあすか薬局は大阪市浪速区にあり、在宅対応のほか、注射薬を含む医療用麻薬や無菌製剤処理にも対応する体制を整えています。
訪問看護だけで抱えるのではなく、地域の医師・薬剤師と顔の見える関係をつくることも、在宅療養を支えるうえで大切だと考えています。
がん末期・終末期でも「自宅で過ごしたい」という思いを支えるために
がん末期・終末期になると、
「痛みが強くなってきた」
「内服が難しくなってきた」
「医療用麻薬やPCAポンプが必要になった」
という理由から、
「もう自宅へ帰るのは難しいのではないか」
と考える方もおられます。
もちろん、病状や生活環境によっては入院での治療が必要な場合もあります。
しかし、PCAポンプを使用していることだけを理由に、自宅で療養する選択肢がなくなるとは限りません。
大切なのは、ご本人がどこで、誰と、どのように過ごしたいのか。
そして、その希望に近づけるためにどのような医療・介護・生活支援が必要なのかを、関係者で考えることです。
ROKUでは、がん末期・終末期の方についても、主治医や薬局などと連携しながら在宅療養を支援しています。ROKUの終末期ケアページでも、疼痛や呼吸苦などの症状確認、医療処置、24時間365日の対応体制について案内しています。
PCAポンプを使用中の患者さんの退院について病院・MSWの方からもご相談いただけます

ROKU訪問看護ステーションでは、大阪市浪速区・大国町を中心に、PCAポンプや医療用麻薬を使用されている方についても退院前からご相談いただけます。
ROKUの病院関係者向けページでも、麻薬・PCAポンプ管理、在宅酸素、吸引、人工呼吸器、CVポート・PICCなど医療処置が必要な方について相談を受け付けています。
必要に応じて、
退院前カンファレンスへの参加
病院からの情報共有
訪問診療との連携
薬局との連携
退院当日からの訪問調整
夜間・休日を含めた対応体制の確認
などを行いながら、在宅療養を始めるための体制を整えます。
「PCAポンプを使用しているが、自宅へ退院できるだろうか」
「医療用麻薬を持続投与している患者さんの受け入れ先を探している」
「まだ退院日は決まっていないが、在宅移行が可能か相談したい」
という段階からでもご相談ください。
医療処置が必要になっても、自宅で過ごす可能性を一緒に考える
ROKU訪問看護ステーションが大切にしているのは、「自分の大切な家族もROKUで看たいと思える看護」です。
PCAポンプが必要になった。医療用麻薬が必要になった。病状が進行してきた。
そうした状況でも、
「自宅で過ごしたい」という思いを、医療処置があるという理由だけで簡単にあきらめない。
そのためには、訪問看護師自身が新しい知識や医療機器について学び続けることも必要です。
今回のクーデックエイミーPCAの勉強会で学んだことを、今後の訪問看護に生かしていきたいと思います。
勉強会を開催していただいたあすか薬局様、ありがとうございました。
参考文献・参考資料
大研医器株式会社「クーデック エイミーPCA」
大研医器株式会社「クーデック エイミーPCA 取扱説明書・操作情報」
あすか薬局「あすか薬局 処方せんネット予約」
※PCAポンプの使用方法、薬剤、投与量、PCA追加投与、設定変更、アラーム時の対応等は、患者さんの状態、使用する薬剤・機器、医師の指示によって異なります。実際の対応は主治医の指示、使用機器の添付文書・取扱説明書等に従ってください。
執筆者:宮本 真一郎
看護師。救急・急性期・手術室・離島医療を経験後、訪問看護に従事。がん末期・難病・医療依存度の高い方への訪問看護、在宅看取り、ご家族への支援に携わる。ROKU訪問看護ステーション代表。






